バスツアーと蘇るトラウマ ―前編―

店長michikoです。

初めに。
このお話は、とあるヒーラーさんが構築した最新最強のヒーリングが誕生するきっかけとなった私の体験談である。
しかし前編は長いながーーーい前フリに過ぎず、ここをすっ飛ばしていきなり後編から読み始めても全く大丈夫!
この前編はお暇な人だけどうぞお読み下さい。単なる与太話として十分楽しめる内容となっております。<(_ _)>

皆さんは「集合場所確認ツアー」というのをご存じであろうか?クラブツーリズムさんが主催する隠れた人気ツアーで毎回満員で大盛況のツアーである。

正式名称は「初めてのひとり旅を応援!羽田空港でランチ付き!集合場所確認ツアー」と言います。

出発地点は上野駅か新宿駅どちらかを選び、バスに乗って東京駅、羽田空港の集合場所を見て回り、ランチは空港で取るという、たったそれだけのツアーなのです。 日帰りで4900円。

このツアーの目的は、これから一人旅デビューをしようとする人が迷わず集合場所に来れるようにする、つまりプレツアーみたいなものです。

ツアー発案者によると、「ひとりで集合場所に行けるか心配だ」とか、「事前に下見をしたほうがいいかしら?」など一人旅デビューや方向音痴さんがそういう不安を抱えていることが多いとわかり、 いっそ添乗員のガイド付きで集合場所を下見し、ホテルでゆったりランチも楽しめる集合場所確認ツアーにしちゃえ!と思いついたのが発端だそうだ。

たまたまインターネットでそのツアーを知り、「面白い!」と食いついた私。

実はひとり旅や日帰りバスツアーに憧れがありながら、方向音痴で車酔いしやすいし、人見知りをするので参加したくてもできない私。

特にバスツアーは人見知り&自意識過剰気味の私にしてみたら、友達同士で参加して盛り上がっているのを横目で眺めるのは疎外感を感じて辛いものがあります。

しかーーーし!!このツアー、念の入ったことに「絶対に友達や家族を誘わず一人で参加のこと」と条件がついているじゃありませんか。

せっかくの一人旅応援ツアーなのに、こういうのに最初から友達同士で参加してきやがる奴らって絶対いそう。それではしらけてしまいます。
ちゃんと予防線を張っているクラブツーリズムさん、私ら“一人旅難民”の気持ちをよくわかってくれてるじゃありませんか、嬉しいわぁ。(^_^)

「いいぞ、気に入った!」

これが決め手で申し込んじゃいました。

ただ、ツアーの日にちが平日なんですよね。ちょっと罪悪感がありましたが、普段から休日出勤をしょっちゅうやって頑張ってますので、ま、たまにはいいよね、それくらい。

ということで、ベルチェレスタのみんなには「ちょっと日帰りバスツアーに参加してきます」と軽く言い置いて休みをもらいました。

さすがに何のツアーか言うのは照れくさかったですね。(^^;)

 

さてさてツアー当日。この日は秋も深まった11月のある日。

緊張した私は早朝4時に目が覚めてしまい、寝不足状態。バスに酔いやすいので予め酔い止め薬も飲んでいざ出発。

私が選んだ出発地点は上野駅。集合場所は第2駐車場。しかし早速、方向音痴の私はこの集合場所にすんなりたどり着けなかった。事前にちゃんと地図で確認してたのに、ですよ!?
あーやだやだ、こんな自分がやになっちゃう。しょっぱなからこれだもん。私の場合、「集合場所確認ツアーの事前確認ツアー」が必要かもしれない。(そんなバカな。)

行ってみると既に参加者が何人も集まっていた。全員私よりお姉様の方々ばかり。うちの母くらいの高齢者も結構おられた。

参加した人の中には、「今まで旅行に関する手続きは旦那さんに任せきりだったけど、その旦那さんに先立たれ、今度遠方に住む娘夫婦の家に遊びに行くことになったので、その事前練習で参加した」という方もいらっしゃった。

なるほどねー。皆さん、それぞれこのツアーに参加するだけの事情がおありなんですね。

と、そこにとあるテレビ局スタッフの男性2名が登場。

事前に聞かされていましたが、今回のツアーを深夜番組で取り上げるので同行取材するそうです。

一人は若い男性でカメラ機材を肩に担いでいた。もう一人の男性スタッフは“ケンコバ”に雰囲気が似ていたので、ここではケンコバと呼ぶことにする。

ケンコバがインタビューを始めたけれど、尻込みしたり恥ずかしそうに遠くへ行っちゃうお姉様たち。(いやいや、きっとそれは最初だけだと思うけど。ニヤリ。)

そこで私が主にインタビューを受けました。(自分が出たがりというわけじゃなく、こういう時にモタモタしている雰囲気が好きじゃないので。私で良ければとっかかりになりますよーってサービス精神から。)

ケンコバさんはこのツアーの面白みがわからないと言わんばかりに首をひねりながら私に参加理由を尋ねたりしてました。

自分の顔のすぐ横にテレビカメラがどーんとある。テンションあがりながらやたら満面の笑顔で楽しそうに答える私。

・・・しかし、元気で笑顔だったのはこのときまで。

このあとバスに乗り込んで出発してから体調が急変。

酔い止め薬を飲んでいるのにもかかわらず、早朝4時から起きてて寝不足、しかも最初の集合場所を探し回ってやたら動き回ったせいでしょう、バスが出発してものの数十分で気持ちが悪くなりました。

その上お腹を下しそうになりました。やばい、やばいよ。

バスの一行は東京駅に着きました。ここでバスを降りて添乗員さんにくっついてみんなでゾロゾロ八重洲口に。

八重洲口や東京駅構内をわかりやすく説明し始める添乗員さん。

立っているのも辛くてしゃがみ込みたいんだけど我慢して説明を聞く私。

すると一人の年配の女性がすっと近づき、「今日一日よろしくねー。一緒に行動していい?」と寄り添ってきた。

元気だったら嬉しいけれど、今の私は正直ありがた迷惑だった。口をきくのもやっとで軽く「ええ、よろしくお願いします」と短い一言。
これ以上しゃべると余計な物が口から飛び出しそうだった。

「ねえ、あなたどこから来たの?」なんて昔のお姉様が話しかけてくる。頼む、今はしゃべりたくないんです。

すると別の昔のお姉様が寄ってきた。「よろしくーー、私も混ぜてーー」

いやーーー!やめてぇーーー!私具合が悪いのよーー。

脇の下にじっとり汗をかきながら、かすかに微笑み返しをするのがやっとの私。

だめだ、そのうち他の昔のお姉様たちまで寄ってきたら面倒だわ。もう、昔のお姉様達ってすぐ友達作るんだからー。

もしも隣の昔のお姉様に「ちょっと私具合が悪くて…」と打ち明けたらどうなるんだろう。

想像してみよう。中高年の昔のお姉様たちは「自他一体感」が強い。 きっと自分のことのように心配するに違いない。

以下、こんな展開が予想される。

「大変よ、この人気分悪いんですって!」

「どれどれ、私の薬あげる、よく効くのよー(と変な民間薬を取り出す)」

「誰かお水持ってきて!」

「ちょっと添乗員さん、ボケっとしてないで何とかしなさいよ!」

などと自他一体感と連帯感に燃える昔のお姉様達、だんだん声が大きくなってちょっとした騒ぎになる。

このとき、ケンコバの瞳が (☆。☆) キラーン!!

「おおっいいぞ、ハプニングだ!」

「回せ回せ、カメラ回せ!」

そうこうするうち、うずくまって四つん這いになる私。つ、ついに私の口のダムは崩壊した。

四つん這いになってスルーアップしている私の横顔をローアングルからカメラが容赦なく捉える!

ケンコバはニコニコ。

「いやーー、思わぬハプニングで“いい画(え)”が撮れました。皆さん、ご協力ありがとうございますっ☆」

そして振り向いてカメラマンにちょっとぞんざいに命令する。

「おい、今の画(え)、ちゃんと編集しとけよ!」

「大丈夫っすよ、ケンコバさん。口から下はキラキラモザイクかけときますから。」とカメラマンは指でOKサイン。

 

以上妄想終わり。

ぬぉおおおおお~~ダメだ、ダメだ o((>ω<o))((o>ω<))oブンブンッ

騒ぎにならないように今のうちにフェイドアウトしなければ!

今ここを逃してしまったら、このあとバスに戻ってあとは羽田までノンストップ。その上おいしいランチなんて喉を通るはずもない。

帰るんだ、今すぐ自宅に帰るんだ。ああ、添乗員さんの後ろに燦然と光って見える改札口!あれが私には天国への門に見える。

あそこをくぐって電車に乗れば、あとは山手線一本で自宅に帰れる。ポケットの中のICカードを握りしめる私。

「♪帰れるんだぁーー、これで私の家にーー。帰れるんだ、これで 帰れるんだーオー ライラライラライラライ・・・」

頭の中に響くアリスの「チャンピオン」の歌。

そうだ、勇気を出せ、おばさま達の手をふりほどけ!

「♪つーかみーかけたーー 熱い腕をーーー ふりほどーいてー うちは出て行くーーー♪」

 

私は血走った目でもう一人の添乗員さんの姿を探した。(添乗員さんは2名だった)彼に事情を説明してフェイドアウトしよう。

あ、柱の陰にいた、いたけど・・・あらら、ケンコバが横に居る。もう一人の添乗員さんが説明している間、暇を持てあましておしゃべりしている。ちち、ちくしょう。早く離れろ!

あ、離れた、やった、あら、今度は大昔のお姉様がよたよたやってきて話しかけてる、やめて、長話だけはやめて!

しかもさっきから私の隣りにくっついてる昔のお姉様2人がいつもちょこちょこ話しかけてくる。ごめん、悪いけど、ほんと、勘弁して。

 

とうとう一瞬の好機が訪れた。

添乗員さんが一人になり、2人の昔のお姉様たちが他に気を取られたほんの一瞬!

私はすばやくその場を離れ、柱の陰に居た添乗員さんに手短に事情を説明。

そしてすぐ目の前の改札口をくぐるのに成功。

彼以外誰一人気づかなかった。

やったーー。

こうして山手線に青い顔して乗りこみ、なんとか自宅に帰りました。時間はまだお昼でした。

屈辱。

屈辱以外の何物でも無い。

日帰りのバスツアーすらこなせないの?私。昔からそうだった。小さいときからいつもいつも、バスや電車に酔い、回りに迷惑かけてきたっけ。

こんなんじゃ、どこにも行けない、海外を飛び回って面白い輸入雑貨を見つけることすらできない。情けない。(>_<)

その後布団に倒れ込んでずっと夕方まで寝ていましたが、どうしても体調が回復しない。

明日も休むわけにはいかない。

なんとしてでも体調を元に戻さなくては。

そうだ、遠隔ヒーリングを頼もう!

切羽詰まった私はベルチェレスタでいつもお世話になっているヒーラーのAyako先生に助けを求めてスマホに手を伸ばした。

 

・・・その頃ベルチェレスタのオフィスでは

「ね、michikoさん、わざわざ平日に休みを取って何のバスツアーに行ったのかしら?」

「そうなのよ、いつもバスに弱いって言っているのにねぇ、びっくりしちゃった」

「あ、わかった!今の時期だから”芋掘りツアー”だ!」

「よっぽど芋が好きなんだねー♪」

 

・・・・違うよ、みんな。(-_-)

後編に続く!

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